Sonja Munstermanによるスタントシーン
スタントシーンというのはバリバリのアクション映画だけのものではなく、探してみるとジャンルを問わず様々な作品で楽しむことができる。
アクション映画やパニックホラーなどはそもそもが過激な設定であるので、当然スタントシーンの比率は高くなるが、大抵の場合はファイトシーンや危険な爆発シーンだったりと、骨太で血生臭いアクションが大半を占める。そういった場面での緊迫感あふれるスタントウーマンの演技も素晴らしいものだ。
しかし、それとはまた違った魅力を放つのがコメディ作品でのスタントウーマンである。
上の写真は2007年にディズニーで制作された、アメリカのいわゆる連続ドラマで「Wizards of Waverly Place」というコメディ作品でのスタントシーン。主演のセレーナ・ゴメスが、チョコレートの海にヘッドスライディングするという場面で、以前に紹介した
Sonja Munstermanがセレーナのスタントダブルを務めている。コメディでは、こういうちょっと変わったシチュエーションでスタントウーマンが登場する。
テンション最高潮に達したセレーナがノリノリの笑顔でダイブするわけだが、実際にスタントをおこなっているSonjaに笑顔は無い。顔にもチョコレートが飛び散るので、目を閉じて決死のスライディングに挑んでいる。衣裳は軽装だし、何度も撮り直せないだろうから気合いが入るところだ。これだけチョコまみれになると、あとで洗い落とすのも大変であろう・・・。
一見、笑えるシーンではあるもののスタントウーマンにとってはアクション映画と同じ、もしくはそれ以上ともいえる過酷なスタントシーンが、コメディには意外と存在する。笑いの空間で、そういったアクションが行われるというギャップがたまらないわけだ。このSonja Munstermanのチョコレートダイブは、たくさんのエキストラに囲まれた状況でおこなわれている点もポイントだ。スタンバイしているところや、カットがかかった後のスタントウーマンを間近で見てみたいと思う。
それとコメディ作品では日常生活を舞台としたリアリティのある設定が多く、衣裳もカジュアルで華やかなものが用いられるケースが多い。フェミニンで露出度の高い衣裳は、スタントウーマンの魅力を増幅させてくれる。肌を露出した、無防備なスカートやワンピースの方がやはり良い。
アクション映画は作品の性格上、照明も暗めな場合が多かったりするがコメディは画面も明るく、スタントウーマンの確認がしやすいのも良い点だ。とんでもなく過激なスタントシーンなどは、あまり期待できないという部分はある反面、コメディにしか無い魅力をもったスタントシーンからは目が離せない。